酔っ払いの暴力的な行動が傷害へとエスカレート。26日土曜日、西麻布のとある店にて目撃した事件を記述します。
店はライブハウスを兼ねたレストラン、バブル前は芸能人がよく訪れる店だったそうで、今でも時おり芸能人が来るそうです。
事件当事者の名前は書きませんが、誰でも知っているベテランロック歌手にして芸能人、CMタレントでもあります。ここでは「ボス」として記述します。店の真ん中の席にボスの団体はいました。10人ほどのグループで、彼以外のメンバーは20代~30代。
大音量でライブが始まり、客席の照明が落ちました。私はカウンター席からライブを見ていましたが、ボスの座る席で何やら大きなガラスの音が。誰かがコップでも落としたのかと思ってそちらを見ると、何やらもめていました。
全てを見ていたわけではありませんが、自分で見た内容と周りの目撃証言を合わせます。ボスが隣に座っている眼鏡の青年の胸倉を掴み、顔を何度も殴っていました。更に、彼の頭をテーブルに押し付け、後頭部を繰り返し殴りつけていました。顔をテーブルにしたたか打ち付けていたようです。グループのメンバーは止めに入るでもなく傍観していました。「いつものことだから放っておけ」という理由なのか、「暴れると手がつけられないからほとぼりが冷めるまでやらせておけ」という理由なのかはわかりません。
ライブの音量にかき消されていたので殴っている音は聞こえませんでしたが、事態を目撃した客はかなり引いていました。
僕は待ち合わせの電話を受けるために店の外に出ました。先ほどの眼鏡の青年と、付き添いの若い女性が階段を上がってきました。青年は顔を抑えながら店を出てきて、女性が「顔、大丈夫・・・?」と気を遣っていました。眼鏡が割れていなかったのが救いです。
店内に戻ると、バンドがMCをやっているところでボスが怒鳴り始めました。
「ドラム、うるさい」
「おまえ、目立ちたがりなんだよ、うるさい」
「チューニング高すぎだ、下げろ、下げろ」
自分のバンドならまだしも、人のバンドのドラムの音に口を出すとは。ドラマーは顔を引きつらせながらも、酔っ払って手がつけられなさそうな重鎮「ボス」を尊重してチューニングを下げました。会場内は寒い空気が漂い、歌手もかなり動揺していました。
バンドの演奏に水を差した後、彼は隣に座らせていた若い女性を抱き寄せる、頬にキスをする等いちゃついていました。彼女がそれを喜んでいるようには見えませんでしたが、グループの誰も止める様子はありませんでした。
暫くして、しらけきった雰囲気の中、ボスとそのグループは店を後にしました。ファーストステージの残りの曲はボスの余韻で硬い雰囲気でしたが、セカンドステージはその反動もありかなりの盛り上がりを見せました。
以上が、僕が体験した事件の全てです。全てを記憶しているわけではありませんが、脚色は一切ありません。若き被害者はボスの身内かもしれないし、仕事の後輩かもしれないし、その日会った人間かもしれません。まったくボスに逆らわない被害者と、それを止めないグループメンバー。肉体的な暴力を含んだパワーハラスメントの現場でした。
ライブ演奏中のミュージシャンに絡んだのはなぜでしょうか。もしかしたら、日本音楽界の「重鎮」にリスペクトを払ってもらいたかったのかもしれません。入りのMCで一言「予想外に、偉大なお客様が一人いらっしゃいますので今日は緊張してしまいます。下手な演奏かもしれませんがごゆっくりお聴きください。」とでも言ってもらいたかったのかも知れません。店内の誰も彼にサインを求めに行かなかったのが気に入らなかったのかもしれません。いずれにしても、目立ちたがりはドラマーでなくて、ボスです。
理由がなんであれ、自分が管理するバンド以外に口を出すのは反則であり、ミュージシャン、店、客の全員に対する冒涜でした。エンターテイナーの風上におけません。堕ちたものです。
店が暗く音も聞こえないのをいいことに被害者を殴り続け、ミュージシャンを罵倒し、若い女性に絡んでいたボス。彼の凶暴で幼稚な人間性はいかにしてはぐくまれてきたのでしょうか。
昨年、島田紳助が吉本のマネージャーに暴行し書類送検されましたが、テレビでの報道は皆無。その後見事に法律バラエティ番組に復帰しました。視聴率を稼げるタレントとしてメディアに守られ、被害者の女性は法的に戦っています。島田と同じように、ボスも金を稼げるミュージシャンとして温室の中で好き勝手に育ったのかもしれません。
暴力行為は日常茶飯事、泣き寝入りする被害者が続出する野蛮で非常識なコミュニティ。それは暴力団でも暴走族でもなく、芸能界です。カメラで証拠写真を撮らなかったのが悔やまれますが、証人は自分の周りでも6人、バンドや店の関係者を入れれば10人以上はいます。とはいえ、もししかるべきところに提出しても関係者もみ消されるような気がします。
英語で"Boss around"と言うと「偉そうにする」「下のものを苛める」という意味がありますが、目撃したのはまさにその通りの情景。誰も彼には逆らえません。

















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