--12/1追記--
最近カミロのTrianguloを聞いています。
アルバム名の「三角形」は、ピアノ・ドラム・ベースという意味だけでなく、彼のルーツであるラテン・ジャズ・クラシックが混ざってます、という意味なのかもしれません。他のアルバムとは違い、おとなしい演奏、しっとりとした中に煌びやかなプレイが見れる素敵な一枚。
アンソニー・ジャクソンの艶やかなベースとオラシオ・エルナンデスの力強いドラムがカミロを強力にサポートしてます。
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神の手を持つ男。
昨日、ジャズ好きの友人らと6人でブルーノートに行った。演奏者は、ドミニカ生まれでニューヨークテイスト、クラシカルからジャズまで幅広いセンスを持つ、ミシェル・カミロ。
サルサ好きの友人、ユウコに一年ぐらい前に借りたDVD「Calle 54」で初めて彼のプレイを観たのがきっかけだった。
ドキュメンタリー映画「Calle 54」はアフロ・キューバン系の著名なミュージシャンの演奏シーンをふんだんに取り入れているのだが、ティト・プエンテ、イリアーヌ・イライアス等素晴らしい演奏をする数多くのミュージック・プレーヤーの中でも、自作曲"From Within"での彼のプレイは光っていた。
タイトなビートを刻むドラム、力強いサルサ・サウンドを繰り出すピアノ、その間を縫うように埋めるベース。コンマ1秒のずれもなくビシっときまったリフを三人で合わせるすさまじい緊張感の中に、彼らの遊び心が曲調に彩りを添える。曲の最後の音がピタリと合い、「弾ききったよ、ママ!」という嬉しそうな顔をするミシェル。そんな音と映像に僕は心を奪われた。数ヵ月後、同じ曲を演奏したCDをAmazonで見つけ、考える間もなく注文した。
その後、ミシェルが来日するのを知り、幾度となくCDを掛けた。とはいえ、93年のアルバムの曲だから、ライブで演奏はしないだろうと思いつつも、もしかしたら・・・というはかない期待を抱いていた。そんな気持ちに答えるよう、いや、単純に偶然というかラッキーなだけだが、一曲目がまさに"From Within"だった。
素晴らしい!ベースとドラムはCalle 54の二人と違うが、演奏のノリや迫力、三人の息のピッタリ度は劣らない。ミシェルのファンが4割を占める客席(憶測)のテンションも一気に盛り上がり、後はひたすら押し寄せる音の洪水とキューバのリズムに身を任せるだけ。アンコールのソロピアノまで終始客席からは笑みが絶えない素晴らしいステージだった。
例によって仕事で疲れきっていた裕子も、ライブが終わった後はつき物が取れたようなすっきりとした顔。周りを見渡しても「よかったー」「最高だね」「最高!」という声しか聞こえない。そりゃそうだ。30cmの高さから残像が残る速さで手首を振り下ろしているのに、澄み切ったメロディーを弾きこなせるピアニストはそうそういない。弦の一本や二本切れているんじゃないかと見たくなった。
ブルーノートにはステージ脇に全く同じピアノがもう一台置いてある。あれはきっと、激しいプレイで弦が切れたときに、ステージ間で楽器ごと交換できるようにあるのではないか?と思った。
ライブに音楽の神が降臨すると、ステージと客席の間には距離は無くなる。
ミシェルの手が動く。神は降臨する。ブルーノートは恍惚とする。




